「陽を待つ人」

「陽を待つ人」



目に映る
灰色の天井

澄ました耳
時計の秒針

カーテンの向こう
木々のざわめき

廊下で響く
不規則なモーター音

この夜はもう
明けないんじゃないかと

貴方と居るときは
明けて欲しくないと

闇に放つ戯言


人は　矛盾

ヒキガネ

ヒキガネを引いた
碧い月が落ちた

暗闇になった


貴方と逸れた



手繰り寄せた糸は赤かったか・・・


まだ　わからない

似ていると思った

JAZZのライブは
教会で祈ってるときと似ていると思った

JAZZを演奏している人が居て
観客が演奏に共感したりしたら
「Yeah!」って叫ぶ

教会で牧師さんが祈りを捧げているときに
兄弟姉妹がその祈りに共感したり
あぁ、その通りだなと感じたら
「Amen!」って叫ぶ

JAZZのライブは
教会で祈ってるときと似ていると思った

月の唄

部屋の中がやけに明るいと思ったら
月明かりだった

何故　月は照らすのか
自分の存在を知らしめるかのように

月に向かって歌う唄は
どことなく物悲しい唄が多い気がする


昨日
月に向かって歌った唄は
やはり　どことなく物悲しい唄だった



だけど



昨日は
貴方が一緒に歌ってくれたから
いつもより1℃だけ
温かい唄になった



ぎこちない私たちを見て
月が笑った

かなづち

私はカナヅチです
恋をすると上手く泳げません
あっぷあっぷ、溺れます

少し冷静になって、考えます
上手く泳げる方法を考えます
少しの間、上手く泳げます
でも、すぐ泳ぎ方を忘れます
だからまた
あっぷあっぷ、溺れます

泳ぎが上手いあなたは
いつも私の手をひいてくれるけど
それじゃあ、いつまで経ってもカナヅチのまま
頑張って一人で泳ごうとすればするほど
深みにはまる
底に沈む

やっぱりその手を離さないでね